世界はほしいモノにあふれてる 鈴木亮平&JUJU「京都 KIMONOスペシャル」紹介リスト

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NHK Gで放送している「世界はほしいモノにあふれてる(略称:せかほし)」シリーズ。
世界を旅するトップバイヤーと素敵なモノ探し。目利きバイヤーに密着したドキュメンタリーには欲しいものや行きたいお店が続々登場。バイヤーさんは誰?場所はどこ?物はどこで買える?と気になります。

世界はほしいモノにあふれてる 京都 KIMONOスペシャル(初回放送:2020年10月22日22:30〜 再放送:2020年10月26日25:00〜)のMCは歌手の JUJU(ジュジュ)さん、ナレーション(天の声)は声優の 神尾晋一郎(かみお しんいちろう)さん。10月からの新MCは三浦春馬さんと親交のあった俳優の 鈴木亮平(すずき りょうへい)さん。
10月以降も三浦春馬さんの話題がときどき出てきて、番組出演者とスタッフの「これからも旅を続けていく、一緒に」という気持ちが伝わってきます。そんな温かさも番組の魅力。
バイヤーは先週に引き続き着物研究家・スタイリスト・十文字学園女子大学教授の Sheila Cliffe(シーラ・クリフ)さんです。
番組を参考に、自分で行くときのために気になるお店やスポットをまとめてリストにしてみました。最後に番組内の音楽もまとめてあります。
せかほし最新の放送は 2023年11月4日(土)15:55〜16:20祝5周年!とっておきの旅SP」です。

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2021年8月27日に三浦春馬さんMC回を含むセレクション DVD & ブルーレイが発売されました。収録内容は こちらの記事 に詳細をまとめています。

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兵庫 暮らしが楽しくなるアイテムを探す旅 のまとめはこちらをどうぞ!

先週のロンドン KIMONOスペシャル のまとめはこちらをどうぞ!

せかほし | バイヤーさんは誰?場所はどこ?物はどこで買える?

番組では 着物研究家・十文字学園女子大学教授の Sheila Cliffe(シーラ・クリフ)さんの2020年春の京都・丹後地方の旅を紹介。
シーラ・クリフさんは丹後ちりめんアンバサダーに就任して丹後ちりめん300年アニバーサリーのポスターに出演、与謝野町観光協会のWEBサイトで着物コラムを執筆しているなど丹後地方と縁があるようです。

Sheila Cliffe(シーラ・クリフ)さん / 着物研究家

1961年イギリス・ブリストル生まれの Sheila Cliffe(シーラ・クリフ)さん。ロンドン大学卒業後、1985年に来日。骨董市で着物に出会ったことで人生が変わってしまいます。
着物に惹かれてしまったシーラさんは日本滞在を延長。テンプル大学日本校 修士課程終了し英語教育の資格を習得し、埼玉大学や立教大学などで英語の非常勤講師を務めます。

はじめは独学だった着物文化ですが、英語講師をする傍ら鈴屋着物学院に通い着付の資格も習得。
東京家政大学 非常勤講師を務め、2013年にイギリスのリーズ大学大学院でファッションデザインの博士号を取得。着物に関する論文も多数執筆。
日本に住んで35年、現在は 十文字学園女子大学(じゅうもんじがくえんじょしだいがく)教育人文学部 文芸文化学科の教授として教鞭を取り、国内外で着物展覧会やファッションショーの企画・プロデュースをするなど多彩な活動を展開しています。
「徹子の部屋」「あさイチ」などのメディアにもご出演多数。

ほぼ毎日着物を着ているというシーラ・クリフさん。外国人の目で着物の魅力を国内外に発信。自らの着物コーディネートを書籍にして出版する着物インフルエンサーでもあります。
着物に帽子を合わせたり、とても自由なコーディネートを楽しんでいて、見ているだけでハッピーになれる着こなし。せかほしでも楽しいKIMONOスタイルを披露してくれました。

シーラ・クリフさんの私服コーディネートを集めたフォトブック。

シーラさんの丹後の旅のコーディネート

シーラ・クリフさんの丹後の旅のスタイリング。丹後の海をイメージしたという目の覚めるようなブルーの着物は昭和初期のアンティーク。ちりめんの生地に柄が織り込まれています。
合わせるたはグリーンの水引のピアス。和のテイストをモダンに取り入れています。

草木染めの 登喜蔵(ときぞう)さんの工房に行った日のスタイリング。桜の季節、桜色を基調にした上品なワントーンコーデ。
甘めの桜色を黒い襟で締めるところがシーラさんらしいですね。髪には小さなハットの髪留めを。
ピアスは「ありがとう」と「こころ」の文字。大切な言葉を忘れないように。

シーラ・クリフさんが英語で日本の着物を紹介した著書。

せかほし | 京都 KIMONOスペシャル 番組内容

番組予告

秋の着物スペシャル、後編は「海の京都」。
天橋立で有名な丹後地方で、伝統織物「丹後ちりめん」の神髄に触れる。
旅人はイギリス出身の着物研究家シーラ・クリフさん。衰退の危機にある丹後の織物。
しかし今、意欲的なクリエイターが次々誕生し、世界が注目する KIMONO を創り出している。
ハリウッド映画に起用された「近未来の帯」、鈴木亮平・JUJUも息をのむ「名作童話の着物」。
斬新でキュートな本物!着物の新境地へ。

2020年4月1日に番組のオフィシャルブックが発売されました。

せかほし | スタジオ

JUJUさんの帯揚げ / 丹後ちりめん【スタジオ】

スタジオで 丹後ちりめん を触る鈴木亮平さんとJUJUさん。
「柔らかくて枕カバーにしたい」と鈴木亮平さん。
JUJUさんはシルクの枕カバーで寝ているそうです。さすがスターですね。

JUJUさんは私物の丹後ちりめんの帯揚げをスタジオに持ってきてくれました。
子供の頃に使っていた赤い絞りの帯揚げ。七五三のときにも使った思い出の品。大人になってから使ってもいいかなと思ったそうです。
他にもいろいろお持ちです。きもの小物はいくらあっても欲しくなりますね。

丹後ちりめんの帯揚げ。

不思議の国のアリスの着物【スタジオ】

予告映像では鈴木亮平さんが「アリスが好きになってきちゃう」と漏らしていましたね。
愛知の 大菱屋 佐織キモノ(おおびしや さおりきもの)さんが発注し、丹後の 柴田織物(しばたおりもの)さんが製作した 不思議の国のアリスの着物 がスタジオに登場。着物に仕立てられるとまた雰囲気が違って見えます。せかほしブルーの帯に白黒トランプ柄の帯紐。八掛もせかほしブルー。(着物と帯の詳細は後述)

鈴木亮平さんは帯の懐中時計の柄がちょうど懐中時計を入れている位置に来るのが好きだと言われていました。
近くで見るとトランプ模様の地紋が織られています。12色で織られた図柄が見事な出来栄え。

「旅行記書きました。行ってないけど。」というキャッチコピー、世界遺産検定1級・鈴木亮平さんの世界遺産妄想旅行記。挿絵も鈴木亮平さんが描いています。家におこもりしていても旅した気分になれる一冊です。

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草木染めの繭【スタジオ】

スタジオには 草木染めの繭 が登場。
JUJUさんは赤の繭をチョイス、鈴木亮平さんは黄色の繭をチョイス。
何で染めた繭?というクイズ。
JUJUさんの赤い繭はヤマザクラ&スオウ、鈴木亮平さんの黄色い繭はターメリック(うこん)。ターメリック、正解でしたね。

濡らした繭をほぐしながら引っ張り、ねじりながら糸を引き出します。太さが均一でない糸は帯を織るときの横糸に使われて、織りの風合いになります。
鈴木亮平さんは以外と器用。JUJUさんはワイルドな糸ができました。

三浦春馬さんが47都道府県47のメイド・イン・ジャパンを巡った連載の書籍化。真摯に日本の伝統工芸や手仕事に向き合った三浦さんの素直で温かい人柄が感じられる本です。

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せかほし | 京都(きょうと)

シーラ・クリフさん京都府の 丹後地方(たんごちほう)へ。丹後ちりめんの工房を巡ります。

京都・丹後地方(たんごちほう)【丹後】

京都府の北部、日本海に面した福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町は「海の京都(うみのきょうと)」と呼ばれる地域。
いつからか聞くようになった「海の京都」という名称。2013年に京都府推進の観光事業で企画された名称で、一般社団法人京都府北部地域連携都市圏振興社が推進しています。

今回の舞台となる 丹後地方(たんごちほう)は宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町のエリア。福知山市、舞鶴市、綾部市は 中丹地方(ちゅうたんちほう)と呼ばれます。
丹後地方の名産品として有名なのが 丹後ちりめん、丹後地方の名勝地として有名なのが 天橋立(あまのはしだて)です。

天橋立(あまのはしだて)

宮津市の宮津湾にある 天橋立(あまのはしだて)は、陸奥の 松島(まつしま)安芸の 宮島(みやじま)とともに日本三景とされている特別名勝。
幅 約20~170m、全長 約3.6kmの砂洲に約5000本もの松が茂っていて、その形が天に架かる橋のように見えることから 天橋立 と名付けられました。

名前天橋立(あまのはしだて)
住所京都府宮津市京都府宮津市文珠天橋立公園 丹後天橋立大江山国定公園内
WEBhttps://www.amanohashidate.jp/

丹後ちりめん(たんごちりめん)【丹後】

1300年以上前から絹織物の産地であったという丹後地方。しかし江戸時代に京都西陣の「お召ちりめん」が広まると丹後の絹織物の売り上げは低迷します。
そこで丹後の技術者は西陣へ「お召ちりめん」の技術を学びに行きました。帰郷後に独特の「シボ(生地の凹凸)」を持った 丹後ちりめん(たんごちりめん)の生産に成功したのが1720年のこと。丹後ちりめん創業からちょうど今年で300年になります。

絹織物の生産に重要なのが、撚り・織り・練り。撚り=糸を組み合わせて撚る、織り=経糸と緯糸を組み合わせて織る、練る=精練によりシルクの不純物を取り除く、この3つが高い水準で揃う丹後。
豊富で良質な水に恵まれ、年間を通じて適度な湿度になる気候は乾燥に弱いシルクに最適。
丹後は日本一の絹織物生産地となり、現在の和装用後染織物におけるシェアは全国の約70%。
住居と工房が一体となった街並み ちりめん街道 は文化庁の日本遺産に認定されています。

シーラ・クリフさんは発信力を買われ丹後ちりめんアンバサダーに抜擢されています。
シーラさんはこれまでも多くの現場を訪ね、WEBや雑誌を通じて国内外に情報発信をしてきました。
着物産業の衰退や後継者不足などもあり、今後の活路を見出すべく奮闘する職人さんや地域の方々。番組では丹後ちりめんに携わる方々へ取材し、着物の魅力を伝えていました。

田勇機業株式会社(織元たゆう)/ 糸づくりから織りまで行う工房【丹後】

はじめに訪れたのは昭和6年創業の 田勇機業株式会社(たゆうきぎょう かぶしきがいしゃ、織元たゆう)。3代目社長の 田茂井勇人(たもい はやと)さん。
会社にはシーラ・クリフさんがモデルとなった丹後ちりめん300年アニバーサリーのポスターが。

こちらの会社は昔ながらの製法を守り糸づくりから織りまでを一貫して行う数少ない工房。
NHK「美の壺 丹後ちりめん」の回でも紹介されていました。
早速職人が手がけた最高級の絹織物を見せてもらいます。
「やっぱり光具合 高級感ありますね。肌触りもいいし質感が素晴らしい」とシーラさん。

丹後ちりめんの特徴「シボ」と呼ばれる細やかな凹凸が全面に入り絹のツヤを一層引き立てています。
この凹凸を生み出す最も重要な技が江戸時代から続く糸づくりの技法。現在は八丁撚糸機(はっちょうねんしき)という機械でつくられます。
機械のスピンドルは水をかけられながら1分間に6000回転のスピードで回り糸をねじっています。このくねくねになった糸がシボを生む秘密。

生糸の不純物を洗い落とす精練(せいれん)という工程で織りあがった生地を特殊な液体に入れるとよりをかけた糸が元に戻ろうとする力が生まれます。
糸に凸凹が生まれ表情豊かで立体的な生地に変化します。技術は常に洗練され柄の表現は広がっているといいます。

しかし丹後ちりめんはいま衰退の危機にあります。
戦後の好景気に乗った着物ブームでかつてない売り上げを誇りましたが昭和50年代をピークに着物の需要が激減。かつては10,000軒あった機屋(はたや)は約700軒に減少してしまいました。
「丹後ちりめんは日本の和装文化の象徴。絶対になくしてはいけないと色々取り組んでいるところ」と田茂井さん。

名前田勇機業株式会社(たゆうきぎょう かぶしきがいしゃ、織元たゆう)
住所京都府京丹後市網野町浅茂川112
WEBhttp://www.tayuh.jp

今週のオープニング曲はいつものJUJUさんのrememberではなくて Coldplay(コールドプレイ)の Viva La Vida(美しき生命)でした。

クスカ株式会社(くすかかぶしきがいしゃ)/ 丹後の織物のネクタイ【丹後】

新たなモノづくりに挑戦する クスカ株式会社(くすかかぶしきがいしゃ)へ。
1936年創業の老舗工房3代目はアイデアマンの 楠泰彦(くすのき やすひこ)さん。ショールームに並んでいたのはネクタイ。丹後伝統の織物で作られた現代人にも身近なアイテム。ベストやジャケットもあります。
丹後で生まれ育った楠さんは新風を吹き込もうと洋服ブランド KUSKA(クスカ)を立ち上げました。ヨーロッパの展示会にも積極的に出品して注目を集めています。
パリのデザイナーとコラボしたジャケットもあり、世界に販路を広げています。

もともと帯を織っていた手織りの織機をカスタマイズして使用。手織りにしかできない質感と風合いが特徴。若い職人さんもいらっしゃいます。
若いスタッフの意見も取り入れ、ヘアバンドやバレッタなど女性が取り入れやすいアイテムも開発。

シーラさんが注目したのはスニーカー。裂織(さきおり)という江戸時代中期からある伝統織物。古い布を細く裂いて織り込む技法。
再利用しアップサイクルすることはサステイナブルなことが求められる現代にマッチしていてヨーロッパやアメリカの高感度なファッショニスタに受けそうです。

さらには自社の生地を張ったオリジナルサーフボードもあり。
丹後は海が近いため楠さんもいつもサーフィンをやっているそうです。さすがに生地部分はコーティングしてありました。
型にとらわれない自由なモノづくりをしている企業でした。

名前クスカ株式会社(くすかかぶしきがいしゃ)
住所京都府与謝郡与謝野町岩屋384-1
WEBhttps://www.kuska.jp

KUSKA(クスカ)の手織りシルクネクタイ。

柴田織物(しばたおりもの)/ ハリウッドからも注文がくる織物【丹後】

5代目の 柴田祐史(しばた ゆうじ)さんが新しい試みを続ける 柴田織物(しばたおりもの)。丹後縫取(ぬいとり)ちりめんという手法で自社で生産・販売・卸しまでを行っています。
デザインは柴田さん自らフォトショップとイラストレーターで製作。織りまで柴田さんが手がけます。今までになかった新鮮で独創的なテキスタイルデザインで若い世代からも支持を集めています。

自社で織るため小ロットや特注品にも対応。
日本のアニメ映画「攻殻機動隊(こうかくきどうたい)(1995)」を原作にしたハリウッド映画「Ghost in the shell(ゴースト・イン・ザ・シェル)(2017)」で 福島リラ(ふくしまりら)さんが演じた 芸者型アンドロイドの衣装の金色とブルーで織られた帯は柴田織物が製作したもの。

映画の衣装デザイナーからこんなのできるかと提案があって、それを元に色をつけたり相談をしながら出来上がった帯。
デザインモチーフは何?というクイズに鈴木亮平さんは「基板」と答えて大正解。昔パソコンを自作していたそうです。

帯は電子基板を基調としたデザインで品名「ゴースト」。伝統的な日本の衣装に非伝統的な要素を混在させて、科学が高度に進化した近未来のアンドロイドが持つ異質で冷たい雰囲気を表現しています。
金属的な立体感を出すため丹後伝統の 縫い取り(ぬいとり)という織りの技が生かされています。経糸に先染シルク、横糸にアルミ蒸着の金銀糸で織っています。

フォーマルな留袖などに使われる 縫取ちりめん は金や銀の色糸で高級感を高めた織物。
大正時代に生まれ一時は絶大な人気を誇りましたが現在は2〜3軒の工房のみが技を継承するのみ。
理系の大学を卒業し電機メーカーで働いた柴田さんは伝統を絶やしたくないと家業を継ぐことを決意。
先代が他界した時には家業をたたむらしいと噂が流れましたが、人がやってないことをやろう、ないものを作ろうとと奮起して自分が面白いと思う着物を作り始めました。

柴田さんが作ったのは一風変わったメンズ着物。鉄板の柄はサビまで表現されています。
鉄板の柄の羽織、羽織紐にはチェーンに見立てた金入りの組紐。とてもモダンです。

新作は「不思議の国のアリス」をモチーフにバラやトランプの柄が織り込まれている着物。
近年アリスをモチーフにしたカフェやレストランがあちこちにできていて、若い世代にも多くのファンがいます。
発注元の 大菱屋 佐織キモノ(おおびしや さおりきもの)オーナーの田中佐織(たなかさおり)さんのアリスファン。
打ち合わせでもらった資料を元に柴田さんがデザインを作り、織ります。反物の両側に物語に登場する特徴的なモチーフ、”DRINK ME”と書かれたビン、うさぎ、トランプ、バラ、シルクハット、王冠、時計が散りばめられています。
こだわったのが挿絵作家ジョン・テニエルの木版画の風合いを忠実に再現すること。Photoshopのピクセルが織りの目。細かく作図します。
12色の糸を使い反物の両側に織り込む複雑なデザイン。一反を織るのに付きっ切りで10日かかったそうです。

「いままでにないような着物じゃないですか。冒険家ですね!」というシーラさんに
「自分が楽しいようにやっているだけです」と柴田さん。
楽しさがないと新しいものってできないんじゃないかな、将来性を感じてドキドキするシーラさんでした。

名前柴田織物(しばたおりもの)
住所京都府与謝郡与謝野町三河内869-2
WEBhttp://www.shibata-orimono.com

着物の収納にぴったり。洋室にも合うスタイリッシュな日本製桐たんす。

大菱屋 佐織キモノ(おおびしや さおりきもの)/ アリスの着物【愛知】

紹介されていたアリスキモノは愛知県小牧市 染めキモノの 大菱屋(おおびしや)さんのブランド 佐織キモノ(さおりきもの)有栖和〜るどキモノ(アリスワールドキモノ)

創業120年の大菱屋さんは和服販売業ですが、和装コンサルジュの 田中佐織(たなか さおり)さんが家業の呉服屋を手伝うかたわら自らのブランド 佐織キモノ を立ち上げました。
田中佐織さんが大好きなルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」をモチーフに、着物と帯を丹後の織元 柴田織物(しばたおりもの)さんに発注。着物は縫い取り技法、袋帯は白生地に銀糸を織り込んだ職人技です。
着物と帯は受注販売。お値段は着物68万円、袋帯33万円とのこと。

名前大菱屋 佐織キモノ(おおびしや さおりきもの)
住所愛知県小牧市小牧3丁目413
WEBhttp://oobishiya.net/sakurausagi/
営業時間10:00〜19:00
定休日なし

登喜蔵(ときぞう)/ 草木染めの絹織物【丹後】

日本の着物ファッションは「Rooted(ルーティッド、土地に根付いた)Fashion」。着物は場所と関係があるというシーラさん。この土地でこの植物が育てられて、これを糸にしてこれを染めたとか、場所と繋がりがあるものがすごく多くて魅力的だと思うそうです。

そんな着物の原点に触れたいと訪ねたのは 与謝野町(よさのちょう)の美しい山あいにある工房 登喜蔵(ときぞう)。11代目 佐橋登喜蔵(さきつ ときぞう)さんは草木染めをした繭から直接糸を紡ぐ「ずり出し紡」技法にこだわり、手作りの織機で「繭先染めずり出し紡」という手織り物を織っています。手織りする帯や着尺は一点もの。

妻の 佐橋朝子(さきつ あさこ)さんは糸づくりを担当。大江山に自生する、山桜、藤、椿、ヤシャブシなどの植物で繭からを染めて丹念に手で糸を紡ぎます。
繭から紡ぎ出された糸がぬくもりのある生地をつくりあげます。

佐橋夫妻は天然の木や花で染める草木染めで生糸を染めます。
与謝野町のシンボルは京都府指定天然記念物に指定されている 滝の千年椿(たきのせんねんつばき)。この地方でも椿はとても身近な植物です。
ヤブツバキという原種、その赤い花を炊いて煮出し、生糸を漬けるとピンク色に染まります。色が落ちるのを防ぐために媒染液(ばいせんえき)に漬けると一気に紫色に変色。
年によって微妙に違う色味が出るのも自然の面白さ。

天然の素材で染めた蚕の繭。すべて歩いて行ける場所で採れる草木で染めたもの。渋い緑色はフジの若葉、淡い桜色はヤマザクラ。同じ色は2度と出ない自然任せ。
シーラさんは糸紡ぎにも挑戦。繭から1本の糸を紡ぎながら自然と共生するモノづくりを体感します。
優しい色合いの草木染めの繭から紡いだ絹糸は丹念な織りで美しいテキスタイルに仕上げられます。すべてが自然からの贈り物。

名前織部 佐橘 登喜蔵(ときぞう)
住所京都府与謝郡与謝野町後野1147
WEBhttps://tokizo.jimdofree.com

七緒に連載中の「シーラ・クリフの丹後日記」。vol.62は登喜蔵さんと江原産業さんを訪れたときのエピソード書かれています。

江原産業(えばらさんぎょう)/ リバーシブルの絹織物【丹後】

1950年に創業者 江原房治が着物の織り柄の型「紋紙」を作る会社「江原紋工所」を創設。その後、織機を導入して織りも手がけるようになり1963年に 江原産業(えばらさんぎょう)となりました。現在の社長は4代目の 江原英則(えばら ひでのり)さん。
シルクテキスタイルは create ebara(クリエイトエバラ)というブランド名で展開しています。

スタイリッシュなデザインの開発に取り組んでいるという江原さんの自慢の品は表と裏の色柄が違うリバーシブルの生地。
この夏に似たようなリバーシブルの生地を気に入って購入し仕立てたというシーラさん。どこの織元かはわからなかったそうなのですが、なんと江原産業さんの織った生地でした。すごい偶然!
シーラさんは生地を見た瞬間にすごく素晴らしいと思ったそうです。リバーシブルの生地を表地と裏地を交互に配置し着物を仕立てるシーラさんのセンスも流石ですね。

この複雑なリバーシブルの織りを実現させた凄腕職人が 山本泰典(やまもと やすのり)さん。この道43年の63歳。
かつては手作業で描いていた 紋図(もんず)という織物の設計図のようなもの。大切に保管されていた昭和41年作成した紋図を見せてくれました。
現在はコンピューターでつくられる紋図。職人が頭の中でつくりあげています。なんだかパズルみたいです。
「いいもの選んだ。目が肥えてるでしょ」と嬉しそうなシーラさん。

名前江原産業(えばらさんぎょう)
住所京都府与謝郡与謝野町算所30-1
WEBhttps://ebara-sangyo.jp

せかほし | KIMONO PROJECT(キモノプロジェクト)

東京オリンピック・パラリンピックに向けNPOが世界213の国と地域をイメージしたKIMONO(振袖と帯)を制作した KIMONO PROJECT(キモノプロジェクト)
日本全国の着物職人が協力して世界の文化や自然を着物に描きました。

名前KIMONO PROJECT(キモノプロジェクト)
WEBhttps://www.piow.jp

柴田織物(しばたおりもの)【丹後】

アリスの着物を織った 柴田織物(しばたおりもの)柴田祐史(しばた ゆうじ)さんは昨年もうひとつ大きな挑戦をしていました。
金銀糸をたくさん織り込んで南米の Argentina(アルゼンチン)の国旗の顔、太陽のモチーフを 縫取ちりめん(ぬいとりちりめん)で織り上げました。

名前柴田織物(しばたおりもの)
住所京都府与謝郡与謝野町三河内869-2
WEBhttp://www.shibata-orimono.com

山本真希さん / パレスチナ刺繍帯プロジェクト【パレスチナ】

パレスチナ難民キャンプの女性たちが日本の帯を刺繍する パレスチナ刺繍帯プロジェクト。日本の伝統衣装にパレスチナの刺繍のコラボ。故郷を追われて難民キャンプで生活する女性たちがパレスチナ暫定自治区の伝統刺しゅうを製作しています。
プロジェクト代表で着物プロデューサーの 山本真希(やまもと まき)さんが奔走しています。山本さんはパレスチナの文化に魅せられ6年前から現地の人々に刺繍を依頼。エキゾチックな帯は着物好きの間で話題を呼んでいます。

KIMONO PROJECT(キモノプロジェクト)のための帯をパレスチナの女性たちに依頼することになった山本さん。パレスチナの良さを帯に凝縮させたいと考え、難民が暮らす地域をひとつひとつ訪ねて回ります。
パレスチナにはその地域ごとに独自の模様があり、故郷を追われた人々は伝統の模様を大切にしています。見せてくれたドレスはぶどうの木と水がめ、ふるさとの村の暮らしを表した模様。
難民の女性たちのふるさとへの愛や家族の絆、刺繍帯は言葉なしにそれを伝えることができると山本さん。2年かけてパレスチナ各地に足を運び刺繍を集めて回りました。
10箇所のエリアそれぞれの場所で女性たちの思いを聞きながら帯のデザインを考えたそうです。

今年7月に完成した帯は13種類の模様が色彩豊かに並んでいます。模様は「星(ベツレヘム)」「ラクダの目(ベルシェバ)」「ブドウと水がめ(サラメ)」など。
パレスチナが可哀想、というよりも、見て可愛いという感動を与えられる帯をつくって世界の人たちに知っていただきたいと語る山本さん。

せかほしペルシャ編 に出演されたサヘル・ローズさんがときどきパレスチナ刺繍帯プロジェクトのモデルをされています。

名前パレスチナ刺繍帯プロジェクト
WEBhttps://www.facebook.com/icej.tatreez/(Facebookページ)

せかほし | 音楽 BGM

番組内挿入歌 をまとめました。

オープニングテーマ

オープニングテーマ は JUJUさんの「Remember (The Good Times)」です。

エンディングテーマ

2020年10月からの エンディングテーマ は JUJUさんの「Voice」です。

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U-NEXTでNHKの見逃し配信を視聴する方法はこちらをどうぞ!

世界はほしいモノにあふれてるシリーズの放送日時まとめはこちらをどうぞ!

鈴木亮平さんがアドリア海の世界ミステリー遺産を巡った番組まとめはこちらをどうぞ!

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