高島礼子「スイーツ列車紀行 オリエント急行 お菓子秘話 西欧の魅惑」紹介リスト

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NHK BSP「スイーツ列車紀行 オリエント急行ライン お菓子秘話 西欧の魅惑」(初回放送:2020年2月8日21:00〜22:30、再放送:2020年4月25日22:30〜23:30, 2020年5月02日22:30〜23:30, 2020年6月21日13:30〜15:00、2020年10月21日14:43〜16:12、2023年6月1日9:30〜11:02、2023年6月1日24:00〜25:35)。
女優の 高島礼子(たかしまれいこ)さんが欧州スイーツの誕生秘話を列車の旅で堪能する「スイーツ・鉄道・歴史」紀行。語りはNHKアナウンサーの 小田切千(おだぎりせん)さんです。
甘いものが大好きな高島礼子さんが昨年に引き続きスイーツを巡る旅に出ます。今年は西欧と東欧、2回に分けて放送。
今回放送の前編でイギリスのシードケーキ、ベルギーでワッフル、ドイツでバウムクーヘン、ウィーンでザッハトルテ。
次週放送の後編でオーストリアのアプフェルシュトゥリューデル、ハンガリーのドボシュタルトとクルトゥシュカラーチ、セルビアのモスクワシュニッツ、ブルガリアのバニツァ、トルコのロクムとバクラバ、と盛りだくさん!

再放送スケジュール

 BSプレミアム・BS4K「プレミアムカフェ」2023年6月1日9:30〜11:02
 BSプレミアム・BS4K「プレミアムカフェ」2023年6月1日24:00〜25:35

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スイーツ列車紀行 欧州・魅惑のお菓子誕生秘話 のまとめはこちらへ!

スイーツ列車紀行 オリエント急行 後編 お菓子秘話 東欧の甘美 のまとめはこちらへ!

スイーツ列車紀行|イギリス / ロンドン

スタートは England(イングランド)London(ロンドン)から。

Agatha Christie(アガサ・クリスティ)/ オリエント急行殺人事件

オリエント急行といえば1934年に発行された Agatha Christie(アガサ・クリスティ)Murder on The Orient Express(オリエント急行殺人事件)
ミステリーの女王として名高いアガサ・クリスティは食通としても知られ、甘いものが大好き。
The Movin Finger(動く指)には Bread pudding(ブレッドプティング)、The Thirteen Problems(火曜クラブ)には Trifle(トライフル)、4.50 from Paddington(パディントン発4時50分)には Chamomile Tea(カモミール茶)と Apple Meringue(りんごのメレンゲ)など小説には様々なスイーツが登場します。

高島さんはアガサのお気に入りだった Brown’s Hotel(ブラウンズ・ホテル)のティールームへ。At Bertram’s Hotel(バートラムホテルにて)のモデルになったホテルです。

アガサ・クリスティの小説に登場する料理とお菓子の解説本。

Brown’s Hotel(ブラウンズ・ホテル)/ アフタヌーンティー【ロンドン】

高島さんはイギリスで最も歴史あるホテルのひとつ、創業1837年の Rocco Forte Brown’s Hotel(ロッコ・フォルテ・ブラウンズ・ホテル)のティールームへ。このホテルのティールーム The Drawing Room(ザ・ドローイング・ルーム)ではアガサ・クリスティやヴィクトリア女王もティータイムを楽しみました。

オーダーしたのは Traditional Afternoon Tea(トラディショナル・アフタヌーンティー)55£ + Moet & Chandon Brut Imperial(モエ・エ・シャンドン・ブリュット・アンペリアル)1杯 の Champagne Afternoon Tea(シャンパン・アフタヌーンティー)65£(約9,300円)。
サンドイッチ、スコーン、ケーキが3段になっているアフタヌーンティースタンド。お茶は20種類以上から選べます。

Scone(スコーン)のお供には Jam(ジャム)Clotted Cream(クロテッドクリーム)。クリスティも自伝でクロテッドクリームへの思いを残しています。
クロテッドクリームは2000年以上前からつくられてきた伝統的なクリームでバターのような濃厚さと生クリームのような口当たりが特徴。煮詰めた牛乳の表面に固まった乳脂肪分からつくられています。

「スコーンに塗るのはクリームが先か?ジャムが先か?」という議論はイギリス人の重要ポイント。クロテッドクリームの2大生産地、イギリス南西部の Devon(デヴォン)Cornwall(コーンウォール)。デヴォンではクリームファースト、コーンウォールではジャムファーストが流儀。
ちなみに Ths Sun(イギリスの東スポのような新聞)の記事によると女王陛下はジャムが先とのこと。

名前Rocco Forte Brown’s Hotel(ロッコ・フォルテ・ブラウンズ・ホテル)
住所Albemarle St, Mayfair, London W1S 4BP UK
アクセス地下鉄「Green Park(グリーンパーク)」から徒歩4分

ロンドンの中心部の便利な立地にある居心地の良い5星ホテル。アフタヌーンティーも楽しみたいですね。

Kaffeine(カフェイン)/ シードケーキ【ロンドン】

1965年発行のアガサ・クリスティの小説 At Bertram’s Hotel(バートラムホテルにて)のホテルのティールームのシーンで、
「とても良いシードケーキがございます。奥様おすすめいたします」という給仕に
「シードケーキ?シードケーキなんてもう何年も口にしていないわ。それは本物のシードケーキなの?」と答えるミスマープル。
この『本物のシードケーキ』とは?モデルになったブラウンズ・ホテルにも今では置いていないといいます。

本物のシードケーキを探してロンドンの街を散策。
たどり着いたのは Fitzrovia(フィッツロヴィア)にあるカフェ Kaffeine(カフェイン)。オーストラリアスタイルのコーヒーと自家製ペストリーが美味しいと評判です。

食べたのは Lemon + Poppy Seed Cake(レモンとポピーシードのケーキ)。黒いゴマのようなぷちぷち食感のつぶはポピーシード(けしの実)。
これが本当のシードケーキ?と疑問が拭えない高島さんは伝統料理を研究しているお店へ。

名前Kaffeine(カフェイン)
住所66 Great Titchfield St, Fitzrovia, London W1W 7QJ UK
WEBhttps://kaffeine.co.uk
Instagram@kaffeinelondon
営業時間月〜金:7:30〜18:00、土:8:30〜18:00、日:9:00〜17:00
定休日なし
アクセス地下鉄「Oxford Circus(オックスフォード・サーカス)」駅から徒歩7分

St. John Bar and Restaurant(セントジョン・バー・アンド・レストラン)/ キャラウェイ・シードケーキ【ロンドン】

本当のシードケーキを探しに向かったのはミシュラン1星のモダンブリティッシュの名店 St. John Bar and Restaurant(セントジョン・バー・アンド・レストラン)
パティシエの アレックス・キーズ さんがキャラウェイを使った伝統的なシードケーキ Caraway Seed Cake(キャラウェイ・シードケーキ)を出してくれました。キャラウェイシードはセリ科の植物の種。シチューなど料理の香りや風味付けに使われます。

「バートラムホテルにて」が書かれた1965年イギリスは、ビートルズやミニスカート、サイケデリックなど新しい若者文化が台頭し古き伝統が追いやられていた時代。
オールドスタイルなシードケーキは忘れられつつありました。しかもキャラウェイシードは香りにクセがあるためにポピーシードに変わっていったそうです。
クリスティーは昔を懐かしんでキャラウェイシードのケーキを本物と呼んだのだと思う、とアレックスさん。

シードケーキしか紹介されませんでしたがセントジョン・バー・アンド・レストランは1994年のオープン以来、奇をてらわず厳選された材料で英国料理を提供し続ける評判のお店。
食肉市場があるスミスフィールドとあって、お肉料理は抜群です。それからドーナツも美味しくて有名なので是非どうぞ。

名前St. John Bar and Restaurant(セントジョン・バー・アンド・レストラン)
住所26 St John St, Barbican, London EC1M 4AY UK
WEBhttps://stjohnrestaurant.com
Instagram@st.john.restaurant
営業時間月〜土:12:00〜15:00, 18:00〜23:00、日:12:30〜15:45
定休日なし
アクセス地下鉄「Barbican(バービカン)」駅から徒歩4分

Dominique Ansel Bakery(ドミニク・アンセル・ベーカリー)/ クロナッツ【ロンドン】

高島さんが旅を始めて5日目(「いつの間に5日間経ってたの?」とびっくりしたのは私だけじゃないはず)、フランスへ向かいます。
列車で食べる旅のお供を買いに訪れたのは Dominique Ansel Bakery(ドミニク・アンセル・ベーカリー)。フランス出身のパティシエ Dominique Ansel(ドミニク・アンセル)がつくる綺麗なスイーツが話題の世界的なチェーン店。
本店はニューヨーク。2015年6月に表参道にも店舗ができましたが2019年2月末に閉店してしまいました。

高島さんが購入したのは看板商品の Cronut(クロナッツ)1個 4.50£(約640円)。クロワッサンとドーナツを組み合わせたハイブリッド・ペストリー。日本で販売されていたときは600円でした。
毎月フレーバーが変わります。

名前Dominique Ansel Bakery(ドミニク・アンセル・ベーカリー)
住所17-21 Elizabeth St, Belgravia, London SW1W 9RP UK
WEBhttps://dominiqueansellondon.com
Instagram@dominiqueansellondon
営業時間8:00〜20:00
定休日なし
アクセス地下鉄「Victoria(ビクトリア)」駅から徒歩8分

St Pancras Station(セント・パンクラス駅)/ 高速列車の始発駅【ロンドン】

ロンドンとヨーロッパ大陸を結ぶ高速列車の始発駅 St Pancras Station(セント・パンクラス駅)
パリまでは海底トンネルを経由してユーロスターで2時間17分で行けるのですが、高島さんはオリエント急行に倣ってドーバー海峡を船で渡るルートで行きます。
オリエント急行が走っていた時代は列車と船を乗り継ぎロンドンヴィクトリア駅からパリ北駅まで当時の所要時間は6時間40分だったそうです。

まずはセント・パンクラス駅から海峡に面した港町 Dover(ドーバー)へ。列車の愛称は Javelin(ジャベリン、投げ槍)。日本のメーカー日立製作所製だそうですよ。

名前St Pancras Station(セント・パンクラス駅)
住所Euston Rd, Kings Cross, London N1C 4QP UK
アクセス電車「King’s Cross(キングス クロス)」駅に隣接

スイーツ列車紀行|イギリス / ドーバー

イギリス Dover(ドーバー)から船で Strait of Dover(ドーバー海峡)を渡ります。

Strait of Dover(ドーバー海峡)/ フェリー【ドーバー → カレー】

セント・パンクラス駅から1時間半ほどで Dover Priory Station(ドーバー・プライオリー駅)に到着。
海の玄関口 ドーバー・フェリーターミナルまではタクシーで約5分。

ドーバー海峡の対岸フランス Calais(カレー)との間をフェリーがおよそ30分置きに24時間運行で結んでいます。フランスまでは1時間半の船旅。DFDS Seaways と P&O Ferries の2社が運航していて事前にオンラインでチケット購入もできます。

船から見えるのは White Cliffs of Dover(ドーバーの白い壁)と呼ばれる高さ100m近い Chalk(白亜)の断崖。私はフランス側からイギリスへ船で渡ったことがありますが、あの白い壁が見えると「おお!イギリスだ!」と高揚した気分になります。

高島さんは船内でもスイーツ。断面が虹色の Rainbow Cake(レインボーケーキ)3.00£(約430円)はインスタ映えケーキとして大人気。アメリカ発祥とのこと。
硬くてクッキーに近い食感だったようです。

カレー港に到着後は Gare de Calais-Ville(カレー・ヴィル駅)から列車に乗ります。

スイーツ列車紀行|フランス/ リール

6日目は France(フランス)Lille(リール)へ。Gare de Lille Flandres(リール・フランドル駅)に到着です。
フランス北部のリールはベルギー国境に面した街。高島さんはリール、ブリュッセル、リエージュの3種類の異なるワッフルがあると聞き、調べてみることに。

Pâtisserie Méert(パティスリー・メール)/ ワッフル【リール】

リールの旧市街の老舗 Pâtisserie Méert(パティスリー・メール)は創業1761年。リールの出身のシャルル・ド・ゴール仏大統領もワッフルを目当てに通ったお店。パリの大統領官邸にワッフルを届けさせていたそうです(パリにも支店あり)。
日本では英語の Waffle(ワッフル)と呼んでいますがフランス語では Gaufre(ゴーフル)

パティスリーにはサロン・ド・テ併設。高島さんが注文するのはもちろんワッフル、のはずですが出てきたのは小判形のお菓子。
この小判形のお菓子がリールのワッフル Gaufre Lilloise(ゴーフル・リロワーズ)3.60€(約430円)。お持ち帰りはもう少しお安いようです。
薄い2枚の間にクリームが挟まっています。このクリーム、ずっとバニラ味だけだったのですが2004年からキャラメル味やピーカンナッツ味などバリエーションが増やしています。季節限定フレーバーもあり。
オーナーの Thierry Landron(ティエリー・ランドロン)さんは「今でこそベルギーのワッフルが世界的には有名ですが、もともとのワッフルは当店のように生地の間にクリームを詰めたものでした」と元祖を主張していました。

お店は外観も内装も素敵で他のお菓子も美味しそう。リールに行ったら寄りたいお店です。

名前Pâtisserie Méert(パティスリー・メール)
住所25-27 Rue Esquermoise, 59000 Lille, France
WEBhttps://www.meert.fr
Instagram@meert_1677
営業時間月:14:00〜19:00、火〜金:9:30〜22:00、土:9:00〜22:00、日:9:00〜18:30
定休日なし
アクセス電車「Lille Flandres」駅から徒歩8分

スイーツ列車紀行|ベルギー / ブリュッセル

7日目は Belgium(ベルギー)Brussels(ブリュッセル)へ。
ブリュッセルはワッフルの都。ブリュッセル市内にはワッフルの店が120軒もあります。
四角くて軽いサクサクのワッフルは Brussels Waffle(ブリュッセルワッフル)と呼ばれ生クリームやフルーツをトッピングして食べるのが主流です。

Aux Gaufres De Bruxelles(オ・ゴーフル・ド・ブリュッセル)/ ワッフル【ブリュッセル】

ブリュッセルワッフル協会の会長 Antoine Andon Akayyan(アントワーヌ・アンドン・アカイヤン)さんのお店 Aux Gaufres De Bruxelles(オ・ゴーフル・ド・ブリュッセル)

1970年創業のワッフル屋さんでブリュッセルワッフルもリエージュワッフルもいただけます。ティールームもあり。お店の上階は小さなホテルになっています。

16世紀のベルギーの市場の様子を描いた Pieter Bruegel(ピーテル・ブリューゲル)「The Fight Between Carnival and Lent(謝肉祭と四旬節の喧嘩)」1559年。
この中にワッフルの元祖が描かれているとアカイヤンさんが教えてくれました。
探してみると真ん中から左下の辺りにいる女性がワッフルを焼いています。この当時はパンのような生地をワッフルの鉄型に流し込んで焼いていて、テーブルの上には網目模様の四角いワッフルが乗っています。

名前Aux Gaufres De Bruxelles(オ・ゴーフル・ド・ブリュッセル)
住所Rue du Marché Aux Herbes 113, 1000 Bruxelles, Belgium
WEBhttps://www.belgiumwaffle.com
営業時間7:30〜23:30
定休日なし
アクセスグランプラスから徒歩2分

Australian Hot Waffles(オーストリアン・ホット・ワッフル)/ ワッフル【ブリュッセル】

ブリュッセルの街で眺めていたワッフル屋さんは Australian Hot Waffles(オーストリアン・ホット・ワッフル)。オーストリアにたくさん店舗があるチェーン店で、ブリュッセルには6店舗あり。アイスクリームも売っているのでワッフルの上にアイスをトッピングすることもできます。
こちらで売っているのはブリュッセルワッフル。ワッフル 3.50€アイスクリーム(シングル)2.50€ です。

名前Australian Hot Waffles(オーストリアン・ホット・ワッフル)
住所Rue de la Colline 2, 1000 Bruxelles, Belgium
WEBhttps://australianice.be
Instagram@australianice
営業時間9:00〜20:00
定休日なし
アクセスグランプラスから徒歩1分

スイーツ列車紀行|ベルギー / ゲント

高島さんはブリュッセルワッフルの元祖を探しに Belgium(ベルギー)Ghent(ゲント)へ。

Max(マックス)/ ワッフル【ゲント】

Ghent(ゲント)にある四角いブリュッセルワッフルの元祖をつくった店 Max(マックス)。1839年に Max Consael(マックス・コンサエル)が創業したアールヌーボー様式の美しいカフェ。6代目オーナーの Yves Van Maldeghem(イブ・ヴァンマルデヘム)さんは昔と変わらぬブリュッセルワッフルをつくり続けています。

厨房には創業時から使い続けているという鉄のワッフル型。16世紀はパンのようだったワッフル生地、その後卵白を加えてサクサクとした軽い食感のブリュッセルワッフルをつくりだしました。
透き通るほど薄い焼き上がり。表面はカリッと中はしっとり。生地の中の気泡が絶妙な食感を生みます。
19世紀のブリュッセルワッフルはシャンパンと一緒にいただくような高級スイーツ。結婚式など人生の節目のお祝いに食べるものでもありました。

トッピングもシンプルに生クリームだけでいただくのがおすすめ。ブリュッセルワッフル 6.50€(約780円)です。

名前Max(マックス)
住所Goudenleeuwplein 3, 9000 Gent, Belgium
WEBhttp://www.etablissementmax.be
営業時間月水金:11:00〜17:30、木:12:00〜17:30、土日:11:00〜18:00
定休日火曜
アクセストラム「Gent Korenmarkt」停留所から徒歩3分

スイーツ列車紀行|ベルギー / リエージュ

8日目は Belgium(ベルギー)Liège(リエージュ)へ。リエージュワッフルを探します。
Gare de Liège-Guillemins(リエージュ・ギユマン駅)は2009年に完成した街のシンボル。鉄とガラスのドームで覆われた近代的な形はスペインの建築家 Santiago Calatrava(サンティアゴ・カラトラバ)による設計です。

Une Gaufrette Saperlipopette(ウン・ゴーフレット・サペリポペット)/ ワッフル【リエージュ】

リエージュで訪れたのは2013年オープンの新しいお店ながらも街いちばんの人気店 Une Gaufrette Saperlipopette(ウン・ゴーフレット・サペリポペット)。オーナーの Eric Michaux(エリック・ミショー)さん御一家が家族で経営されています。
リエージュの庶民に愛されてきた素朴なワッフル。リエージュワッフル 2.25€(270円)。

こちらのお店は伝統的なリエージュワッフルのつくり方を守っています。材料は小麦粉、卵、牛乳、酵母、パールシュガーとシンプル。
大きなキッチンテーブルで小麦粉の土手をつくりその中で材料を混ぜ合わせていきます。調理器具を使わずすべて手作業のため1日につくれるワッフルは60個が限度。
生地が発酵するまで4時間かかるため毎日AM3時から作業を始めるといいます。

生地に使うパールシュガーはヨーロッパなどの寒い地域で多く栽培されるてんさいが原料の小さな砂糖の塊。焼いても溶けきらないのが特徴でシャリシャリとした歯ごたえが残り味と食感が楽しめます。
生地つくりはエリックさんの仕事ですが、1個分に切り分けて焼くのは息子さんたちの仕事。リエージュワッフルはひとつ100g。さらに生地の表面に粉砂糖を付けながら200度に熱したワッフルアイロンで焼くと甘い香りが立ち込めます。
ふわふわもちもち、表面カリカリ、程よい甘さのリエージュワッフル。美味しそう!

名前Une Gaufrette Saperlipopette(ウン・ゴーフレット・サペリポペット)
住所Rue des Mineurs 18, 4000 Liège, Belgium
WEBhttps://une-gaufrette-saperlipopette.be
Instagram@une_gaufrette_saperlipopette
営業時間火〜日:7:30〜18:00
定休日月曜
アクセスリエージュ・ギユマン駅からバスで約20分

Cuberdons Léopold(キュベルドン・レオポルド)/ キュベルドン

高島さんがタリスの車内でいただいていたのはワッフルと並ぶベルギーの人気スイーツ Cuberdons(キュベルドン)5.60€(670円)。
フラマン語で「花」という意味のキュベルドンは円錐形の砂糖のコーティングの中にシロップが入った不思議なお菓子。
19世紀のこと、薬屋の主人が喉用シロップを飲みやすくしようと甘いシロップを加えて保管したら固まってしまったことから偶然から生まれたスイーツです。

現在キュベルドンをつくっているメーカーは数社ありますが、高島さんが買っていたのは Cuberdons Léopold(キュベルドン・レオポルド)のもの。味はラズベリーのみ。19世紀のオリジナルレシピでつくられています。
他社ではラズベリー以外のフレーバーもいろいろ出しています。

名前Cuberdons Léopold(キュベルドン・レオポルド)
WEBhttps://www.cuberdonsleopold.com
Instagram@cuberdonsleopold

スイーツ列車紀行|ドイツ / ケルン

9日目はベルギー・ブリュッセルから Deutschland(ドイツ)Köln(ケルン)に向かいます。
乗るのはフランス-ベルギー-ドイツ-オランダの4カ国を結ぶ高速列車 Thalys(タリス)。ブリュッセルから約1時間50分でケルンに到着。
番組では Cologne と表記されていましたがそれはフランス語。ドイツ語では Köln。

11月11日11時11分のカーニバル【ケルン】

ドイツの Köln Hauptbahnhof(ケルン中央駅)に到着。11月のケルンは気温は3度。
駅前に聳えるのはケルンのシンボル Kölner Dom(ケルン大聖堂)。高さ157m、ゴシック様式の建築物としては世界最大級です。

大聖堂前広場は仮装した人で溢れていて、11月11日11時11分のカーニバル の真っ最中。
19世紀から続いているというこのカーニバルは病気が流行り食べ物も不足する寒い冬を元気に乗り切ろうと始まったのが由来だそうです。
ドイツ3大カーニバル都市と呼ばれるケルン、マインツ、デュッセルドルフでは仮装した人々が街に繰り出して祝います。

Café Eigel(カフェ・アイゲル)/ 老舗菓子店【ケルン】

ケルンで訪れたのは1851年創業の老舗 Café Eigel(カフェ・アイゲル)
Baumkuchen(バウムクーヘン)を探しますが売っていたのは チョコレートをかけた小さなバウムクーヘン 5.60€(670円)/100g のみ。

1ヶ月に1回は食べている高島さんに対して「食べたのはもう1年以上前」アイゲルの方。
ドイツではバウムクーヘンは決してメジャーなお菓子ではないようです。

名前Café Eigel(カフェ・アイゲル)
住所Brückenstraße 1-3, 50667 Köln, Deutschland
WEBhttps://www.cafe-eigel.de
Instagram@cafeeigel
営業時間月〜金:9:00〜19:00、土:9:00〜18:00、日:14:00〜18:00
定休日なし
アクセス電車「ケルン中央」駅から徒歩8分
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スイーツ列車紀行|ドイツ / ザルツウェーデル

「ザルツウェーデルに行くといいですよ」とアイゲルの方に教えられ、オリエント急行のラインを外れてドイツ北部の Salzwedel(ザルツウェーデル)へ。
ケルンから電車を乗り継ぎ5時間、人口2万3千ほどの小さな町 ザルツウェーデルに到着。

Hennig Erste Salzwedeler Baumkuchenfabrik(ザルツウェーデル最古のバウムクーヘン店・ヘニッヒ)【ザルツウェーデル】

ザルツウェーデルに着くとバウムクーヘンの店がいくつもあり、中でも一番古い Hennig Erste Salzwedeler Baumkuchenfabrik(ザルツウェーデル最古のバウムクーヘン店・ヘニッヒ)へ。
200年以上続くザルツウェーデルのバウムクーヘンは結婚式などのお祝い事に食べられてきましたが、いまでは普段のお菓子として食べています。
店内で Baumkuchen Scheiben(バウムクーヘン・シャイベン)4.00€(480円)をいただきます。シャイベンはドイツ語で「ひと切れ」という意味の薄いスライス。縦に切るよりも口当たりが柔らかくなります。

高島さんは工房へ。案内してくれたのは Heike Hennig(ハイケ・ヘニッヒ)さん。姉と Bettina(ベッティーナ)さんと一緒に伝統の店を切り盛りしています。
ことらのお店は最も古い1807年のレシピを所有していていまでも200年前と変わらぬつくり方。
窯の温度は300度、芯に生地を流しかけながらローラーで回し直火で焼きます。独特の形にする技が求められ、火加減の調整も難しい難易度の高い技術。
もともとバウムクーヘンはドイツのマイスター制度の下でつくられる特別なお菓子。厳しい制約があったためドイツ全土には広がらず発祥の地に留まったとも言われています。

この店のバウムクーヘン職人の父のもとで幸せに暮らしていた子供時代のハイケさん。しかしお店は東西ドイツが分断された時代に東ドイツ政府の管理下に置かれてしまいます。当時の経営者であった Frau Kruse(クルーゼ夫人)が反対したため逮捕され刑務所に入れられ、輸出用の質の悪いバウムクーヘンの生産を命令されます。
1989年のドイツ統一までこの体制が続いきましたが、1990年にハイケさんの父 Oskar Hennig(オスカー・ヘニッヒ)さんが店を取り戻し再建。ハイケさん姉妹が伝統を守り続けています。

名前Hennig Erste Salzwedeler Baumkuchenfabrik(ザルツウェーデル最古のバウムクーヘン店・ヘニッヒ)
住所Sankt-Georg-Straße 87, 29410 Salzwedel, Deutschland
WEBhttps://baumkuchen-salzwedel.de
Instagram@salzwedeler_baumkuchen_hennig
営業時間月〜金:9:00〜17:00、土:9:00〜13:00
定休日日曜
アクセス電車「Salzwedel」駅から車で約7分

スイーツ列車紀行|ドイツ/ ベルリン

10日目は Deutschland(ドイツ)Berlin(ベルリン)からオーストリアの Wien(ウィーン)へ。およそ12時間半の長旅です。
Bahnhof Berlin-Charlottenburg(ベルリン・シャルロッテンブルク駅)から ÖBB(オーストリア国鉄)の寝台列車 Nightjet(ナイトジェット)に乗り込みます。
寝台の個室にはトイレとシャワーもついていて、朝食も6品まで無料。希望の品を選んで車掌に渡すと翌朝に部屋まで届けてくれます。

旅のお供はドイツ北部の菓子パン Franzbrötchen(フランツブロートヒェン)1.00€(約120円)。酵母生地のペストリーにシナモンと砂糖を練り込んでいるシナモンロール。

スイーツ列車紀行|オーストリア / ウィーン

11日目は寝ながらにして国境を越え、夜明け前のドナウ川を渡れば Österreich(オーストリア、英:Austria)Wien(ウィーン)。朝には Wien Hauptbahnhof(ウィーン中央駅)に到着。
番組では Vienna と表記されていましたがそれは英語。ドイツ語では Wien。
ウィーンはカフェの宝庫。Cafehaus(カフェハウス)の歴史は300年以上もあり、2011年にウィーンのカフェ文化がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

Café Hawelka(カフェ・ハヴェルカ)/ ブフテルン(ちぎりパン)【ウィーン】

夜に訪れたのは旧市街にある Café Hawelka(カフェ・ハヴェルカ)。劇場やコンサート会場に近く、オペラ座からは徒歩6分。
カフェの名物は夜10時に焼きあがる Buchteln(ブフテルン)という ちぎりパン 10.00€(約1200円)。砂糖がまぶされた甘い中パン、中に入っているのは酸っぱいプラムのジャム。

カフェがオープンしたのは1939年。Leopold Hawelka(レオポルド・ハヴェルカ)Josefine(ジョセフィーヌ)夫妻はコンサートや観劇の後に感想を語り会える場をつくろうと深夜まで開いているカフェをオープン。
芸術の都ウィーン、しかしそれまで夜遅くに開いているカフェはなかったため、カフェ・ハヴェルカは人気となりました。
舞台を見終えて小腹を空かせた客のために終演時間に合わせてジョセフィーヌが夜10時にブフテルンを焼いたのが始まり。レシピは息子のギュンターに受け継がれ、さらにその息子たちアルミアとミヒャエルも教えてもらっている最中。家族で伝統を守っています。

名前Café Hawelka(カフェ・ハヴェルカ)
住所Dorotheergasse 6, 1010 Wien, Österreich
WEBhttp://www.hawelka.at
営業時間月〜木:8:00〜24:00、金土:8:00〜25:00、日:10:00〜24:00
定休日なし
アクセス地下鉄「Stephansplatz」駅から徒歩2分

Café Sacher(カフェ・ザッハー)/ ザッハトルテ【ウィーン】

ウィーン名物のスイーツ Sacher Torte(ザッハトルテ)。元祖を名乗る店が2つあります。
1つ目は創業1876年の老舗 Hotel Sacher(ザッハホテル)
ホテルのカフェ Café Sacher(カフェ・ザッハー)ザッハトルテ 7.50€(約900円)。
チョコレートの刻印には堂々とザッハの文字。チョコレートの下にはアプリコットジャムが塗られています。ジャムはスポンジの周りだけではなく中間にも塗られて2層になっているのが特徴。

誕生したのは1832年、オーストリアの政治家 Klemens von Metternich(クレメンス・フォン・メッテルニヒ)から新しいスイーツをつくるよう命じられた料理長が倒れ、代わりにまだ16歳だった Franz Sacher(フランツ・ザッハー)がチョコレートのケーキを考案。大評判となります。
1848年に自らの店を出したフランツ・ザッハーはザッハトルテを販売。そして息子の Eduard Sacher(エドワルド・ザッハー)がザッハホテルをオープン。ホテルのカフェでザッハトルテを出したことで世界的に有名なケーキになりました。

名前Café Sacher(カフェ・ザッハー)
住所Philharmoniker Str. 4, 1010 Wien, Österreich
WEBhttps://www.sacher.com/hotel-wien-2/kulinarik/cafe-sacher-wien/
Instagram@sacherhotels
営業時間8:00〜24:00
定休日なし
アクセス地下鉄「Karlsplatz」駅から徒歩5分、路面電車「Kärntner Ring. Oper」停留所から徒歩3分

一度は泊まりたいウィーンを代表する老舗5星ホテル。オペラ座そばの抜群の立地、クラシカルで落ちついたインテリア、洗練されたホスピタリティ。朝食ビュッフェにはザッハトルテもあり。宿泊客はカフェ・ザッハーに待ち時間なく入ることができます。

Demel(デメル)/ ザッハトルテ【ウィーン】

2つめは1786年創業の Demel(デメル)。ハプスブルク家の宮廷御用達として常にウィーンをリードしてきた高級菓子店です。
デメルの ザッハトルテ 6.70€(約800円)。
チーフパティシエのアレキサンダー・ユージッツさんによると、ジャムはスポンジの周りだけ、真ん中には入れていないとのこと。ザッハよりもしっとりとしたスポンジに仕上げています。

ザッハホテルとデメルのザッハトルテを巡る争いの発端は1934年のこと。ザッハホテルが経営難に陥ったときに3代目オーナー エドマンド・ザッハーは資金援助をしたデメルにザッハトルテの販売権を譲ったというもの。
1954年にザッハホテルがデメルを訴え、裁判は7年間に及びました。その結果、販売権は双方に認められ、商標に関しては「Original Sacher Torte(元祖ザッハトルテ)」はホテル側のもの、デメルは「Demel’s Sachertorte(デメルのザッハトルテ)」とする判決が下されました。
デメルのザッハトルテの三角プレートには「Eduard Sacher Torte, Erzeugnis Ch. Demel Söhne(エドワルドによる正真正銘のデメルのザッハトルテ)」と書かれています。

アレキサンダーさんは「80年前の裁判で互いにいがみ合うのはくだらないと思います。ウィーンのパティシエが修行の際に最初に習うのがザッハトルテ。そんなザッハトルテを誇りに思っています」とおっしゃっていました。

名前Demel(デメル)
住所Kohlmarkt 14, 1010 Wien, Österreich
WEBhttps://www.demel.com
Instagram@demel_wien
営業時間8:00〜19:00
定休日なし
アクセス地下鉄「Herrengasse」駅から徒歩3分、地下鉄「Stephansplatz」駅から徒歩5分

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